【保存版】米作りの一年の流れ|稲刈りから田植え・収穫・乾燥までの作業スケジュール

お米

米作り(稲作)の年間スケジュールや具体的な作業内容を知りたい方へ。
本記事では、徳島県で実際に農業を営む私が、稲刈り後から翌年の田植え・収穫・乾燥・もみすりまでの1年間の作業工程を詳しく紹介します。
家庭菜園や農業初心者の方、また農家さんのリアルな米作りに興味がある方にも参考になる内容です。


この記事でわかること

  • 米作りの年間作業スケジュール(月別の流れ)
  • 実際の農家がやっている準備や管理の工夫
  • 農作業で大切なポイント(除草・水管理・育苗など)

米作りの年間スケジュール早見表(目安)

作業内容の概要
10〜2月稲刈り後の田起こし、田んぼの準備
3月育苗準備(プール育苗)
4月種もみの準備、もみまき、育苗スタート
5月田植え、除草剤散布、水の管理開始
6〜8月稲の成長管理(水管理・中干し・消毒など)
9〜10月稲刈り、乾燥、もみすり、袋詰め

【10月〜2月】稲刈り後の田起こしと分解促進|来年の準備はもう始まっている

稲刈りはコンバインで根元から刈り取りますが、株が田んぼに残ります。
このままでは春の田植えの妨げになるので、微生物による分解を促すために秋〜冬にかけてトラクターで田んぼを耕します(秋起こし)

寒くなってしまうと微生物の活動が鈍ってしまうので秋のうちに作業したいところですが、うちは畑もしているのでなかなかタイミングが合わず、冬に入ってから作業することも多いです。
ちなみに、今回は緑肥(ヘアリーベッチ)を試したこともあり、気合で秋に田起こしを実行しました(笑)

秋起こしの時の様子はコチラ(田んぼの田起こし2024


【3月】育苗の準備|手作業でコツコツと

3月は田んぼの準備と並行して、育苗の準備に取りかかります。
うちでは露地でのプール育苗をしており、次のような工程を踏みます。

  • 育苗場所をトラクターで整地 → 踏み固め → トンボで水平仕上げ
  • フラットにした土の上に黒マルチ+透明ビニールで保温&雑草対策
  • プール枠とビニールを設置して苗箱を並べる準備
  • 山土を購入 → 苗箱120枚に手作業で土入れ(ここは大変ですが、仕事終わりにちょっとずつ作業して何とか完了しました!)

【4月】もみまきと育苗スタート|光と水と温度の勝負

まず、塩水選(うちは硫安を使用しています)で中身の詰まった良い籾を選出し、
消毒 → 浸種(1週間〜10日)で発芽を促します。定期的に水の入れ替えをして籾に酸素を供給してあげるように管理します。

発芽したら以下の手順でもみまきを行います:

  • 苗箱にたっぷり水やり(この水分だけで初期育苗するので十分に!)
  • 手動の播種機でもみまき(必要な個所は手直しします)
  • 種もみの乾燥を防ぐためにしっかりと覆土を行う
  • 育苗場所に並べ、黒マルチ+シルバーボリトウで遮光・保温

光に当てるタイミング、水加減を見ながら調整して、健康な苗に育てていきます。

実際の作業の様子はコチラ

また、並行して田んぼの**春起こし(2回)→ 代掻き(2回)**を行い、田植えの準備を進めます。


【5月】田植えと除草剤の散布|一気に忙しくなる月

ゴールデンウィークを目安に、兼業農家にとっては勝負の田植えシーズンです。

  • 育った苗を田んぼに運び、田植え機で丁寧に植えていく
  • 歯抜けになった箇所を1週間〜2週間後に手植えで修正
  • 同時に除草剤を散布(雑草対策。使わないと機械収穫に支障あり)
  • 以後、水の管理をしながら、稲の成長を見守るフェーズへ

【6月〜8月】稲の生長を見守る|水と稲とにらめっこ

この時期は水の管理が主な仕事です。
田んぼの水量を見ながら調整し、天気や気温を考慮して適切な状態を保ちます。

  • 中干し(稲の根を伸ばすために一度水を抜く)
  • 雑草・害虫対策(除草、消毒など)
  • 稲の成長を観察しながら柔軟に対応

この期間の詳しい作業は「稲作日記2025」で随時更新中です。


【9月〜10月】稲刈り・乾燥・もみすり|一年の集大成

いよいよ収穫の秋です!
稲刈りは晴天で稲が乾いている時間帯を狙って行います。

  • 稲刈り前に水を切って田んぼを乾かす(数日〜2週間前)
  • 手鎌ですま刈り(コーナー部)
  • コンバインでぐるぐる刈り取り → グレンコンテナ → 乾燥機へ

乾燥は低温でじっくり12時間かけて行い、途中で水分量を測定しながら調整
乾燥が終わると、もみすり作業です。

  • 古い機械でのもみすり作業(粉じん・かゆみとの戦い)
  • 玄米を30kgごとに袋詰め → 縛って冷蔵庫へ
  • これを2回か3回繰り返してようやく終了!

まとめ|米作りは終わらない。もう次の年の準備へ

お米作りは、種をまくだけ、植えるだけ、ではありません。
秋の稲刈りが終わっても、それは次の米作りのスタート地点
1年を通して、田んぼと向き合い、自然と付き合いながら、僕たちはまた次の収穫に向けて動き始めます。

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