初心者のすもも栽培でふくろ実病被害|ソルダムが全滅した失敗体験と対策

農園部

今年、植え付けてから3年目になるすもも(ソルダムとサンタローザがそれぞれ1本ずつ)に、初めて実をつけさせることができました。春先から実が膨らみ始め、毎日観察するのが楽しみだったのを覚えています。ところが、その期待は思わぬ形で裏切られることになりました……。同じように初めてすももを育てる方の参考になればと思い、私の体験を記録します。


初めての実がついてワクワクした日々

今年は初めての挑戦で、ソルダムの樹に実をつけさせることができ、嬉しさでいっぱいでした。ソルダムは勢いよく成長していて、数えきれないくらい実がつき、その数は100個以上はあったと思います。一方、サンタローザは同じ日に隣同士で植えたものの、そこまで多くの実がついておらず、20個程度しかありませんでした。

ところが、よく見るとソルダムの実の形がおかしいのです。普通の丸い実ではなく、どこか膨らんだような、いびつな形。最初は「これから成長するにつれて形が整ってくるのかな」と楽観していました。すぐそばのサンタローザの実はきれいに丸く、比べると違和感はあったのですが、初めての実だったのでその変化の過程を知らず、見過ごしてしまいました。一番期待していたソルダムが病気になったことで、ショックはなおさら大きいものになりました。

4月26日時点の写真。丸い実がありますが、すでにシワが出ています。その右隣に真っ白な異形の実があるのですが、受粉に失敗した実だとこの時は思っていました。


違和感、そして病気だと気づくまで

日が経つにつれ、実の異変は明らかになっていきました。最初は膨らんでいただけだった実が、次第にシワシワになり、色も不健康な感じに。「何かおかしいぞ」と思い、急いで調べたところ「ふくろ実病」という病気にたどり着きました。その時点でソルダムのほとんどの実が症状を示していたため、全ての実を取り除いたのが5月4日のことです。


ふくろ実病とは?

私が調べた限りでは、ふくろ実病について以下のような情報が得られました。

ふくろ実病はタフリナ菌(子のう菌類)が原因で、開花期の湿気や雨が多いと感染し、果実が袋状に膨らみ種ができず、落果します。感染は枝や芽にも及び、翌年の発生源になります。放置すると被害が年々拡大し、木全体の勢いも衰え、収穫皆無になることも。病斑が葉や枝に残ることもあり、剪定時の観察も重要です。

症状の詳細

  • 果実の膨張・歪み・淡色化
  • 種子ができず、中は空洞
  • 葉に病斑が出ることもある

発生条件

  • 開花期の雨、低温、多湿
  • 風通しの悪い場所や密植でリスク増

予防・防除策

  • 休眠期の石灰硫黄合剤・ボルドー液散布
  • 開花期の殺菌剤散布(天候に応じて適時)
  • 病果・病枝の早期除去と焼却処分
  • 剪定で風通し改善
  • ふくろ実病は一度出ると治療は困難なため、発生源を断つことと、事前の防除が重要

ふくろ実病が発生したら?

病気になっている果実を全て除去することが基本とされています。ただ、実際のところすべて残らず除去するのは難しいです。私も可能な限り除去しましたが、地面にいっぱい落ちていて、頑張って探したものの草に紛れて見えないものもあったと思いますし、そもそもすでに飛散した胞子は拾えません。

ということは、石灰硫黄合剤を休眠期に散布するしかないんじゃないかな?というのが私の結論です。


行った対策とこれからの備え

今年は全ての実を除去し、来年は休眠期・開花期の防除や剪定強化で再発を防ぎます。

これは除去したソルダムの写真です。少なく見えるかもしれませんが、萎んで小さくなっているのでかなりの量です。この後枯草と一緒に燃やしました。


まとめ:失敗から学んだこと

ソルダムの全滅は悔しい経験でしたが、防除と観察の大切さを実感しました。同じ悔しさを味わう方が減ればと思い、記録を残します。

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